2016.11.14 TPPを理解する本

大方の予想に反してトランプ氏が次期米大統領に選出されました。米国民の雇用を守るための政策の一つとしてTPPには反対するようです。そのアメリカの流れとは逆に我が国ではTPP法案が衆議院を通過し、今週には参議院も通過する見込みです。物事にはすべてメリット・デメリットがありますが、国民にとってTPP導入で根本的に困ることは「命や環境よりもお金(企業の利益)が優先される」条文になっているからです。我が国の商習慣には「三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)」という近江商人の商売道徳が流れています。要はTPPは売り手の論理優先で構成されているからです。過日出光興産が石油のメジャー資本下に入らなかったのもこの伝統(精神)が息づいているからなのだとの感じました。TPP導入時は今の我が国の法律が存続するように見えても、すぐISD条項でグローバル企業から提訴され、ことごとく企業優先の法律に変更せざるを得なくなるのです。この辺の事情を詳しくリサーチされた元農林水産大臣の山田正彦氏が「アメリカも批准できないTPP協定の内容はこうだった!」という本(写真)を出されています。6000ページにも及ぶ英語で書かれた条文を読める日本人はほとんどおりません。マスコミの情報では分からないことが良く理解できますので、トランプ次期大統領がTPPに反対されている間に、この本を読んでTPPを良く理解しようではありませんか。